ふたつの今とふたつの未来

光と影、表と裏、善と悪…二面性を唱える時、片方はマイナスな印象がある事が殆どである様に、私たちの生活はうまくいく時といかない時の繰り返しです。


「ふたつの今とふたつとない未来」シリーズは、そんな二つの側面にスポットを当てた作品です。

輝かしい「表」の姿

作品の右側は「光」や「表」を表現しています。パワーに満ち溢れた姿は、強く逞しく魅力的に見えると思います。圧倒され、傲慢な姿だと感じる人もいるかもしれません。

誰も知らない「裏」の姿

そして、作品の左側は「影」や「裏」を表現しています。薄暗く、陰湿だと感じる人もいるでしょう。しかし、それは自分と向き合い、「光」の方へと一歩を踏み出そうと努力している姿かもしれません。

全ては表裏一体

「影」は必ず「光」と繋がり、「光」もまた「影」となり得るのです。表と裏も善と悪も、全ては表裏一体。それらを二つに分けて考えてしまうから、「光」がいつまでも続くと勘違いしたり「影」の自分を嘆いたり、一方を悪者にしてしまうのではないでしょうか。


2枚の絵をひとつの大きな絵として見れば完成された姿に見える様に、真逆の今が繰り返されてこそ、かけがえのない未来が生まれるのだと思います。

久保木亜紀